the end of an era

You are free to be who you are.

Seed & Flowerと選抜制度との闘い(櫻坂46・日向坂46への選抜制度導入に際して)

2023年9月18日、櫻坂46の7thシングルのフォーメーション発表があり、選抜制度を導入することが同時に発表された。そして、2024年2月26日、日向坂46の11thシングルのフォーメーション発表があり、こちらも選抜制度を導入することが同時に発表された。 欅坂46…

長濱ねる『たゆたう』とともに、あの頃を振り返る

毎月、長濱ねるさんが雑誌「ダ・ヴィンチ」に連載しているエッセイ「夕暮れの昼寝」が、一冊の本として刊行された。 もちろんエッセイには色々な読み方があるが、彼女のファンをもう何年もやっている筆者としては、エッセイに書かれた当時の記憶を思い起こし…

僕にとっての知的なアイドルと、影山優佳さん

今日は、影山優佳さんの卒業セレモニーの日だった。いつからか、僕はアイドルの卒業に際して、文章を書き連ねるようになった。アイドルの卒業とは、そのアイドルが積み上げてきた歴史を、ときに本人と一緒に振り返るような、そういう瞬間だ。そうやって振り…

『「重箱の隅に宇宙を感じる者同士」』に見るアイドルの精神性

新潮社のPR誌である「波」という雑誌は、手に入れるのが簡単なようでとても難しい。こういうPR誌は一般に、出版社から全国の書店に送られ、店頭で無料配布されるのだが、この「波」はとくに、発売日であってもなかなかお目にかかることができない。人気のあ…

菅井友香卒業のいま、欅坂46を語り直す

今日11月9日は、欅坂46・櫻坂46の菅井友香の最後のステージだった。 東京ドームというのは、大概決まってお別れの場所だ。欅坂46の東京ドーム公演から3年、櫻坂46が東京ドーム公演をするとわかったとき、なんとなく、それが何かしらのお別れの場になることは…

『3回目のひな誕祭』―東京ドームのその先の物語

つい先日、「約束の彼の地」こと東京ドームでの日向坂46のライブがあった。当然行ってきたわけだが、この地に来るまでの「物語」は、壮絶なものだったことは言うまでもない。筆者の立場として、「長濱ねるとその他」という言葉を使うのは避けたい気持ちもあ…

『夕暮れの昼寝』第十四寝―アイドルとは何者か―

月日の流れは速いもので、推しが芸能活動を再開してから、もう1年以上が過ぎた。今月の『ダ・ヴィンチ』に、どうしても触れたくなることが書かれていたので、久々に筆を走らせている。 2年前の7月30日、アイドルという職業に対する苦しさと、推しにはどこか…

『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』という解答(ネタバレあり)

『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』(以下シンエヴァ)という、エヴァ最終作になるであろうこの作品は、庵野秀明が、エヴァというシリーズを、どう終わらせるのか、悪い言い方をすれば、序破Qで荒した新劇場版の物語に対して「どう落とし前をつけるのか」…

『僕たちの嘘と真実』―天才の遺したもの

推しが卒業したことによって欅坂46というものから離れて、もう1年を超えた。ただ、新たなアイドルグループの形を模索した欅坂46が、どういう形になっていくのかについては気になっているし、何より、平手友梨奈という人間には興味がある。そういう興味で、あ…

『3年目のデビュー』と青春

記事を書くのが久しぶりになってしまうが、もう2019年7月30日から1年が経つ。推しをもう1度見る機会を100年でも待つつもりで、卒業後、推しの残した(と勝手に思っている)日向坂46のライブに行く機会が増えた。もちろん、『日向坂46ストーリー』を読んでい…

『天気の子』にトゥルーエンドはあるのか(ネタバレあり)

しばらく前、『天気の子』を見に行ってきた。僕が映画館を出た直後の感想は、まゆりエンドなのかな、という気持ちだった。ただ、正確に考えてみると、ゲーム『Steins;Gate』とは、状況設定が違うことを確認しておきたい。たしかに、β世界線(特にまゆりエン…

長濱ねる 卒業イベント『ありがとうをめいっぱい伝える日』~アイドル人生の「意味」~

昨日、2019年7月30日、最後の"アイドル"長濱ねるを見るために、幕張メッセに行ってきた。今も、その余韻が残っているので涙もろくなっているくらいではあるが、筆者なりに、思っていることを書き記しておきたい。 ステージ構成、無料開放されていたホールの…

「太陽は何度でも」という一度きりの「芸術」

タモリがメディアの表舞台からフェードアウトしていくこの時代、芸は文脈に支配されている。たとえば、指原莉乃が2013年頃、一時期多用していたものとして、「好きな男性のタイプは?」と聞かれた際の返答として、「秘密を守る人」という一笑いの取り方があ…

欅坂46 3rdアニラ武道館公演 (2日目) の感想

武道館で行われるライブを見るのに、筆者はなぜだか大阪に向かっていた。推しの最後となるかもしれないライブを見るためには、仕方ない話ではあるのだが。 端的に感想を述べると、濃い100分だったし、一瞬映る推しの表情を見るとペンライトを振るのを忘れる…

アイドルはなぜ「物語」を失うのか?あるいは、劇場版『ラブライブ』はなぜ失敗作と評されざるを得なかったのか。

タイトルがオマージュなのだが、これにタイトルだけで気づいた人はいるのだろうか。 4年ほど前、『ラブライブ!The School Idol Movie』(以下、劇場版)の公開後、この映画に対する批評記事が話題になった。おりあそ、という方の「アイドルはなぜ魅力的なの…

「ガラス」を「割る」行為に見る音楽と社会

タイトルの時点で終着点が見えている気がするが、こんな話もしてみたい。 日本のポップやロックにおいて、「ガラス」を「割る」という歌詞には、明らかな原点がある。それはもちろん、尾崎豊の『卒業』(1985)だ。(『卒業』の歌詞は「窓ガラス壊して」である…

僕はアイドルが嫌いだ

自己紹介がてら、タイトルについて語ってみたい。 前回のブログでアイドルの卒業について触れておきながら、そして、これからもアイドルに関する記事を書く気がしているが、筆者はアイドルが嫌いだ。正確には、アイドルを見ている瞬間に、多幸感と苦しさが混…

指原莉乃の卒業とテレビ史の「時代」の変化

2019年4月28日、HKT48の指原莉乃の卒業コンサートが行われた。その卒業のアイドル史的意味を語るのは別の機会にすることにして、それとは別に、実感したことがあるので、語っておきたい。 指原莉乃のアイドルとしての最後は、たぶん大方の予想通りであろう。…

「時代の終わり」に

「時代の終わり」、平成生まれの筆者は、そういうものを実感したことがほとんどない。でも、なぜだか平成が終わる今、文章を書き残したいという欲がある。 それは、平成史を扱うテレビが多いせいかもしれないし、本当に今この瞬間に何かの「時代の終わり」が…